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耳の奥の辺りだろうか。
声がする。
静かで、
美しくて、
とても、落ち着く声。
名前を呼ばれている。
一体、此の声の持ち主は、誰何だろう。
そんな好奇心から、
私は辺りを見回した。
(何処かに…居る、はず…!)
そう、思って。
そう、願って。
けれど、
誰も、
何も、
存在しなかった。
私は、もう一度、耳を澄ました。
確かに聞こえる。
「ミウ、ミウ…」
と。
まさか、此の声は…
「おかあ、さん…?」
そう、呟いた。
其処で、意識が戻った。
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