01*森の奥へ

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耳の奥の辺りだろうか。 声がする。 静かで、 美しくて、 とても、落ち着く声。 名前を呼ばれている。 一体、此の声の持ち主は、誰何だろう。 そんな好奇心から、 私は辺りを見回した。 (何処かに…居る、はず…!) そう、思って。 そう、願って。 けれど、 誰も、 何も、 存在しなかった。 私は、もう一度、耳を澄ました。 確かに聞こえる。 「ミウ、ミウ…」 と。 まさか、此の声は… 「おかあ、さん…?」 そう、呟いた。 其処で、意識が戻った。
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