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「っはぁ……」
政宗は少し涙目で、先程よりも頬が紅葉の色に近づいていた。
そのまま上目遣いに俺様を見て言う。
「するならするって言えよ……」
涙目、紅葉色の頬、上目遣い、息切れ中の政宗の姿にきゅんとしつつ、ごめんごめんと謝る。
嫌だった?と続けて聞いてみると、また頬を染めて、目線を逸らして、別にと答える。
「ねぇ、もう一回……いい?」
「……OK」
これはたしか南蛮語で肯定の返事。
口づけようとゆっくり顔を近づける。
それを見ているのが気恥ずかしかったのか、政宗は目をぎゅっと閉じて、身体を強張らせた。
ただ、また同じように唇にするのもいいにはいいが、少しつまらないような気もしたので、今度は額に口づけた。
それだけでびくっと小さく肩を震わせる政宗。
「もう……可愛いんだから」
俺様の呟きに反応して政宗が恐る恐る目を開ける。
そのすぐ後に肩に手を置き、また唇に口づけ、さらに勢いづけて……と言っても、政宗が頭を打たない程度に、丁寧に床に押し倒した。
「な、なにす……んっ……」
また無理矢理口を塞ぐと、次はむすーっとした顔で軽く睨まれてしまった。
「ごめん、つい」
「つい、じゃねぇ!」
当然、政宗は怒る。
「だって、我慢しきれなくてさ~……」
「……先に言っとくが、まだNoだ」
「えー」
抗議の声を上げる。
だが、確かにまだ口づけだけであれだけ初(ウブ)な反応を見せているのだから、無理だというのは当たり前か。
「じゃ、口づけ……きす?に慣れたらさせてね?」
「……………好きにしろッ」
終
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