愛し

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遠く、それはそれは遠くに恋人は居る。 俺様が勤めてる甲斐の国から遥か遠く、奥州の国に"彼"は居る。 この時刻だと既に寝ているかもしれない。 寝顔はさぞかし愛らしいのだろう。 そんな事を考えながら猿飛佐助―― 俺様は一人、闇夜に呟いた。 「逢いたいな……」 何故こんな事を考えているのか。 それはここ最近一度たりとも恋人―― 伊達政宗を見ることが出来ていないからである。 勿論それは政宗が怪我をしたとか、部屋に篭りきりだからとかが理由なわけではない。 逆に最近の政宗は…… というより伊達軍はかなりの広範囲を爆走&暴走しており、どの軍も迷惑を被るほどに活発である。 それは全く構わないのだ。 たかが一忍である俺様としては。 問題は甲斐と奥州が敵対している事だ。
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