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廊下に出ると沈みかけの太陽が目にしみた。
朝日もそうだが、起きてすぐ後に見る太陽は意地が悪い。
「まぶし……」
教室の扉を後ろ手で閉めつつ、目を閉じ窓から顔を背ける。
すると、扉を閉めきった所で腕を引かれた。
そのまま教室の側面の掲示板の前で抱きしめられる。
最初は何が起きたのか分からず声も出せなかったが、すぐに気づいて言ってやる。
「……今から3秒以内に離せ」
three、two、one、とcount downしてやると、佐助はパッと離した。
「誰かに見られたらどう責任とってくれんだ、Aan?」
「ゴメンナサイ」
機嫌が悪いのを察したのだろう。
佐助はすぐに謝った。
そこまでは良かったが、
「早く帰るぞ」
と言って先に行こうとすると、今度はオレの右手をとって前を歩きだした。
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