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「お呼びですか、御主人サマ?」
超棒読みしながら政宗が入ってきて固まった。
少しの沈黙の後、"なんだお前か"と聞こえてきそうな顔をした。
珍しく、予想が出来ていなかったらしい。
「女装した政宗なんて俺様以外が呼び出すわけないじゃん」
イラついている政宗を普通の人が呼び出すなど、怖すぎて誰もしようとはしない。
するはずがない。
やれるのは俺様か前田の風来坊かあの紫の不良くらいのものだろう。
旦那はそもそもこんな所に入って来そうにもないから省く。
「"なんて"って何だよ。オレだってやりたくてやってるわけじゃねぇっつの」
「ごめんごめん」
「……まぁいい。……にしても、何でオレを呼び出したんだよ」
「もちろん、メイドさんとしてご奉仕してもらおっかなって」
奉仕?と小首を傾げる政宗。
あぁもぅ、可愛いなぁ。
「……と思ったけど、やっぱりここに居てくれるだけでいいや」
こんなに可愛い政宗が近くにいる中でお茶を飲めるだけで最高だ。
それに、此処には人の目と耳がある。
やっぱり、人の目を気にする必要がない所でご奉仕してもらおう。
「そのかわり、今度うちに遊びに来てね」
その時、目一杯可愛がってあげることにしよっと……♪
終
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