第2章 希望と絶望

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私の名前は桐谷 葵。 地方の高校に通う二年生の17歳だ。 特別なことは何も………無くはない…か。 お父さんとお母さんは離婚した。私はお父さんと暮らす予定だったけど、そのお父さんも1週間前から行方不明。 お母さんとお姉ちゃんがどこに居るかもわからない中で、お父さんの残したお金で広い家に1人暮らしている。 今は周りの支えもあって、だいぶいろいろな面で安定してきた気がする。 だけど、ひとつだけまだすっきりしないこと。 それは、なぜ私たちが別々になる前のあの日。 お母さんが泣いていたのか。 離婚を決めたのは、他でもない父と母のはず。なぜないていたんだ? それだけが今、私の心に少し引っかかっている。 容姿も成績も運動も普通かそれ以下。 そんな私の彼氏いない歴はもちろん年齢と同じである。周りはみんな彼氏がいるのだ。そこまで欲しいわけじゃないけど、話題についていけないのは面白くない。 「葵?どうしたの?おーい…」 私が今こんな風に冷静でいられるのは… 「うおいっ!!目ぇ開けたまま寝てんなあ!?起きろ葵!!」 「起きてるし。ていうか、誰が目開けて寝れるか。」 「あのさぁー!うちショッピング行きたいわぁ~…行かない?葵ちゃん!!」 この二重人格な人物のお陰です。 お父さんがいなくなってから部屋に引きこもっていた私を引きずりだしてくれた親友だ。 いつも助けてくれて、すごく感謝してる。 因みに彼女はAB型。 名前は伊藤 季楽々だ。 きららとか大人になったらどうするんだろうね。 まあ私には関係ないんだけれど。 私は、久しぶりの買い物の提案に乗ることにした。 悲しい夏の季節が終わり、秋が訪れようとしていた・・・。
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