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「葵。大事な話というのはな…実は…父さんと母さん。離婚することになったんだ。」
「…………は?」
いやいやいや。
意味わからないよお父さん。どういう意味?
分かれて暮らすって・・・そういう意味なの?
「明日には…母さんお姉ちゃん連れて出ていくから…」
そう言って上げたお母さんの顔は涙でぐちゃぐちゃだった。
「な……んで?」
なんで?
私の頭はそれでいっぱいだった。
あまりのいきなりのことに、呆然とするほかない。
だって、つい昨日まですごい仲良かったんだよ?
昨日だって家族みんなでご飯食べながら笑ってたじゃん…。
「それは…。」
「葵には…いつかきちんと説明する。」
お父さんはそう言って黙ってしまった。
私は何も考えられる状態じゃなかった。
なんでだろう。わからないよ?どうして…
「葵。お風呂に入りなさい。」
言われて立ち上がり、お風呂場に行って服を脱ぐ。
お風呂に入ってる時も、ご飯を食べる時も、テレビを見てる時も…
ずっとうわのそらで、どれくらい風呂に入っていたのか…ご飯はなにを食べたかすら覚えていない。
それは学校にいても変わらなかった。
「葵?どうしたの?」
いろいろな人に心配をかけてしまった。
そして…家に着くと、お母さんとお姉ちゃんの荷物だけが無くなっていた。
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