『恩返し』

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大人になった私は、舞台の稽古やアルバイトで、毎日が怒涛のように過ぎて行った。 入院した祖母のお見舞いに行けたのも、知らせを受けて、随分と経ってからだった。 「おばあちゃん来るの遅くなってごめんね」 「良いんよ。おばあちゃんこそ、心配掛けてごめんね…」 祖母の頬に一粒の涙が零れ落ちた。  
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