第2章

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夜明けの森のジータ19 翌日、夜明けの森からジータが引越して来た。 「ジータ、一つ頼みたいことがあるんだ」 おれは言った。 「なに?」 「カインのしるしを消すためには、子供の天使の羽根がいると言っただろう。子供の天使はエホバ神の宮殿にいることがわかった。エデンの園にはいないそうだ。そこで、子供の天使をおびき寄せるために、黒ヤギ牧場の中に、どでかい遊園地を作って欲しい。そこで黒ヤギの子供達を遊ばせる。子供の天使が興味を持って、天から舞い降りて来たら、生け捕りにするのさ」 「黒ヤギのカイン、あんたは頭がいいね。きっと成功するよ」 「早くこのカインのしるしを消してしまいたいんだ。おれが牧場で昼寝をしていると、黒ヤギの男の子が、カインのしるしをチュウチュウ吸ってやがる。全く油断もすきもあったもんじゃないぜ」 ジータは魔法を使い、たちまち巨大な遊園地を作り上げた。 夜明けの森のジータ20 おれは黒ヤギ牧場へ行くと、子ヤギを集合させ、一列に並ばせ点呼を取った。 「総員50名、異状なし!」 黒ヤギの班長が、おれに敬礼して報告した。 「ようし。これからお前達に命令を与える。この遊園地で楽しく遊ぶんだ。その様子を子供の天使が見て、必ずお前達と遊ぶために舞い降りて来る。舞い降りて来たら子供の天使をつかまえるんだ。一人つかまえるごとに、聖書を一冊やる。それは最高にうまいから食べていいぞ。わかったらジータの遊園地へ入れ」 「メエー!」 「メエー!メエー!」 黒ヤギの子供達は、牧場の柵をこわして、遊園地へ突撃して行った。
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