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夜明けの森のジータ21
黒ヤギの子供達が遊園地で遊び始めて、1時間が経過した時、予想通り子供の天使が、東の空から飛んで来た。
堕天使は子供の天使もいることが証明された瞬間だった。
子供の天使達は、最初は空中で、黒ヤギ達が遊んでいるのを見ていたが、とうとう誘惑に耐え切れず、思い思いの乗り物に乗った。
それを見たおれは、号令を発した。
「黒ヤギ軍団、今だ!天使をつかまえろ!」
黒ヤギ達は命令通り、天使1人に4人が襲いかかった。
天使達はあわてて逃げ出した。
だが、黒ヤギの歯はがっちりと、天使の両手両足にかみついていた。
黒ヤギ達の中には、天使の体から発するベビー石鹸の匂いに惑わされて、口を開いて天使を取り逃がした者もいたが、最終的に5人の天使を生け捕りにした。
まずまずの成果だと言えよう。
おれは5人の子供の天使を、おれの家に連行して行った。
黒ヤギ達は勝利の歓声を上げた。
「メメエーメエメエ!」
夜明けの森のジータ22
おれは天使を監禁すると、彼等に言った。
「おい、お前達!そこにあるハサミで自分の羽根を切って、おれに差し出せ!」
すると子供の天使達は騒ぎ出した。
「いやだよ!」
「エホバ神のもとに帰れなくなる」
「痛いよ」
「かっこ悪いじゃん」
「腹減った」
おれはブチ切れた。
「うるさい!さっさと羽根を切れ!言うことを聞かないなら、おれが切ってやるぜ」
おれはすごんで見せた。
「そんなことしたら、エホバの全軍が攻めて来るよ!」
一人の天使が言った。
「エホバの全軍だと?笑わせるんじゃない。こちらには悪魔サタンが味方についてるんだ」
「サタンは弱いじゃん!エホバ神によって、天から投げ落とされたじゃないか」
「そうなのか?」
おれは少しどきっとした。
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