第3章

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夜明けの森のジータ21 黒ヤギの子供達が遊園地で遊び始めて、1時間が経過した時、予想通り子供の天使が、東の空から飛んで来た。 堕天使は子供の天使もいることが証明された瞬間だった。 子供の天使達は、最初は空中で、黒ヤギ達が遊んでいるのを見ていたが、とうとう誘惑に耐え切れず、思い思いの乗り物に乗った。 それを見たおれは、号令を発した。 「黒ヤギ軍団、今だ!天使をつかまえろ!」 黒ヤギ達は命令通り、天使1人に4人が襲いかかった。 天使達はあわてて逃げ出した。 だが、黒ヤギの歯はがっちりと、天使の両手両足にかみついていた。 黒ヤギ達の中には、天使の体から発するベビー石鹸の匂いに惑わされて、口を開いて天使を取り逃がした者もいたが、最終的に5人の天使を生け捕りにした。 まずまずの成果だと言えよう。 おれは5人の子供の天使を、おれの家に連行して行った。 黒ヤギ達は勝利の歓声を上げた。 「メメエーメエメエ!」 夜明けの森のジータ22 おれは天使を監禁すると、彼等に言った。 「おい、お前達!そこにあるハサミで自分の羽根を切って、おれに差し出せ!」 すると子供の天使達は騒ぎ出した。 「いやだよ!」 「エホバ神のもとに帰れなくなる」 「痛いよ」 「かっこ悪いじゃん」 「腹減った」 おれはブチ切れた。 「うるさい!さっさと羽根を切れ!言うことを聞かないなら、おれが切ってやるぜ」 おれはすごんで見せた。 「そんなことしたら、エホバの全軍が攻めて来るよ!」 一人の天使が言った。 「エホバの全軍だと?笑わせるんじゃない。こちらには悪魔サタンが味方についてるんだ」 「サタンは弱いじゃん!エホバ神によって、天から投げ落とされたじゃないか」 「そうなのか?」 おれは少しどきっとした。
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