第3章

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夜明けの森のジータ25 おれは戦死した黒ヤギ軍団の遺体を引き取ることなく引き上げた。 家に帰ったおれは、ジータに報告した。 「黒ヤギ軍団は全員、天使の弓矢で殺されてしまった。遺体を返してくれと交渉したが、鼻であしらわれたんだ」 「エホバ神を甘く見るから、そんなことになるんだ。カイン、用心した方がいいよ。エホバの全軍が攻めて来るかも知れないよ」 「これから悪魔サタンを呼んで、善後策を考えようと思う」 「あたしが連絡して上げよう」 「頼むよ」 ジータは魔法を使い、サタンと連絡を取った。 まもなく暗黒の闇の中から悪魔サタンが姿を現した。 夜明けの森のジータ26 「黒ヤギのカイン、ずいぶんと思い切ったことをやったもんだな」 サタンは言った。 「エデンの園に放火するなんて、わしも考えつかなかったぜ。お前は白ヤギのアベルを殺害し、天使の警務隊の二人を焼き殺し、子供の天使の羽根をむしり取った。極悪人だな。エホバ神が怒るのも無理はないぜ。エホバ神は愛の神であり、復讐の神でもある。天使の全軍がやって来て、必ずお前に復讐するぞ」 「良くわかった。そこでお前の力を借りたいのだ」 「いいだろう。エホバ神は、おれを天から投げ落として、へびの姿にしてしまった。このうらみをはらしたい。三人で全能の神エホバをやっつけてやろうぜ」 話はまとまった。
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