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夜明けの森のジータ25
おれは戦死した黒ヤギ軍団の遺体を引き取ることなく引き上げた。
家に帰ったおれは、ジータに報告した。
「黒ヤギ軍団は全員、天使の弓矢で殺されてしまった。遺体を返してくれと交渉したが、鼻であしらわれたんだ」
「エホバ神を甘く見るから、そんなことになるんだ。カイン、用心した方がいいよ。エホバの全軍が攻めて来るかも知れないよ」
「これから悪魔サタンを呼んで、善後策を考えようと思う」
「あたしが連絡して上げよう」
「頼むよ」
ジータは魔法を使い、サタンと連絡を取った。
まもなく暗黒の闇の中から悪魔サタンが姿を現した。
夜明けの森のジータ26
「黒ヤギのカイン、ずいぶんと思い切ったことをやったもんだな」
サタンは言った。
「エデンの園に放火するなんて、わしも考えつかなかったぜ。お前は白ヤギのアベルを殺害し、天使の警務隊の二人を焼き殺し、子供の天使の羽根をむしり取った。極悪人だな。エホバ神が怒るのも無理はないぜ。エホバ神は愛の神であり、復讐の神でもある。天使の全軍がやって来て、必ずお前に復讐するぞ」
「良くわかった。そこでお前の力を借りたいのだ」
「いいだろう。エホバ神は、おれを天から投げ落として、へびの姿にしてしまった。このうらみをはらしたい。三人で全能の神エホバをやっつけてやろうぜ」
話はまとまった。
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