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夜明けの森のジータ27
もともとジータは極悪人ではなかった。
ところがサタンやおれに感化されて、しだいに良心が失われて行ったのだ。
黒ヤギと交われば悪くなるということわざがある。
ジータも例外ではなかった。
極悪トリオの結成を祝って、おれは黒ヤギのメイドを大勢呼んで、ドンチャン騒ぎをやらかした。
「エホバ神がなんぼのもんじゃい!イエス・キリストはマリアの誘惑に負けたじゃないか!モーセがイスラエルの民に与えたマナばかり、毎日食えるかってんだ!エホバの全軍だと?来るなら来てみやがれ!全員なぶり殺しにしてやるぜ!」
おれは悪態をついた。
夜明けの森のジータ28
翌朝はエホバの全軍を迎え討つために、三人で防御陣地を作った。
ジータの魔法で、家のまわりのいたる所に落とし穴を作り、穴の底には槍の先を立てておいた。
槍の先には、おれの畑で栽培しているトリカブトの毒をたっぷりと塗っておいた。
トリカブトの毒が天使に効果があるかどうか、一抹の不安もあったが、塗ってないよりはましだろう。
家のまわりを取り囲むように地雷を敷設した。
この地雷は対天使用の物で、軽く触れただけでも爆発する。
悪魔サタンは家の上空に、見えないクモの糸で織り上げたネットを張り、ゼリー状の瞬間接着剤をネットに塗った。
飛んで来た天使を、確実に捕捉するためだった。
おれは屋根の上に弓矢の自動発射装置を設置した。
矢の先にはまむしの毒をたっぷりと塗りたくっておいた。
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