第3章

6/6
前へ
/25ページ
次へ
夜明けの森のジータ29 エホバの全軍を迎え討つ準備が整うと、悪魔サタンは姿をヘビに変えた。 ヘビはするすると床の上を這っていたが、どこへともなく姿を消した。 おれは内心では不安だった。 エホバ神と御子イエス・キリストを恐れていたのだ。 アダムとエバを楽園から追放し、悪魔サタンを地に投げ落とし、ソドムとゴモラを火で焼き滅ぼし、ロトの妻を塩の柱に変え、バテシバと姦淫したダビデの子を殺し、ノアの時代に洪水で人類を滅ぼし、イスラエルを流浪の民にならせ、サムソンをフィリステリア人の手に渡し、このおれを滅ぼそうとしているエホバ神が恐かったのだ。 夜明けの森のジータ30 おれは大変なことを忘れていた! エホバ神と天使ばかりに気がとられ、イエス・キリストを忘れていたのだ。 エホバ神がおれを滅ぼそうとする前に、イエス・キリストが来るはずだ。 イエス・キリストの力は特筆すべきものがある。 カナの婚礼で、水をぶどう酒に変えたり、ガリラヤ湖の水の上を歩いたり、死んだ子供を生き返らせたり、波と風を静かにさせたり、片手のなえた人を元通りにしたり、悪霊を追い出したり、弟子が切り落とした奴隷の耳を、元通りにしていた。 おれにはとうてい出来ないことばかりだった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加