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夜明けの森のジータ29
エホバの全軍を迎え討つ準備が整うと、悪魔サタンは姿をヘビに変えた。
ヘビはするすると床の上を這っていたが、どこへともなく姿を消した。
おれは内心では不安だった。
エホバ神と御子イエス・キリストを恐れていたのだ。
アダムとエバを楽園から追放し、悪魔サタンを地に投げ落とし、ソドムとゴモラを火で焼き滅ぼし、ロトの妻を塩の柱に変え、バテシバと姦淫したダビデの子を殺し、ノアの時代に洪水で人類を滅ぼし、イスラエルを流浪の民にならせ、サムソンをフィリステリア人の手に渡し、このおれを滅ぼそうとしているエホバ神が恐かったのだ。
夜明けの森のジータ30
おれは大変なことを忘れていた!
エホバ神と天使ばかりに気がとられ、イエス・キリストを忘れていたのだ。
エホバ神がおれを滅ぼそうとする前に、イエス・キリストが来るはずだ。
イエス・キリストの力は特筆すべきものがある。
カナの婚礼で、水をぶどう酒に変えたり、ガリラヤ湖の水の上を歩いたり、死んだ子供を生き返らせたり、波と風を静かにさせたり、片手のなえた人を元通りにしたり、悪霊を追い出したり、弟子が切り落とした奴隷の耳を、元通りにしていた。
おれにはとうてい出来ないことばかりだった。
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