第1章

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夜明けの森のジータ5 おれはジータとの待ち合わせ場所へ行った。 エデンの園の入口では、燃える剣が回転していて、おれが入るのを阻止していた。 おまけに天使の兵士が二人見張りに立っていた。 おれはそんなに危険なのかよ! やがてジータが、黒いマント姿で、杖を片手に持って現れた。 「黒ヤギのカイン、用意はいいかい?」 ジータが尋ねた。 「ちょっと待ってくれ」 おれは自分の畑でとれたトマトを袋から取り出すと、回転する剣に向かって、次々に投げつけてやった。 トマトはきれいにスライスされて、おれの手の上に落ちて来た。 「腹ごしらえをして行こうぜ」 おれはスライストマトをジータに与えた。 夜明けの森のジータ6 焼けたスライストマトなんか、まずくて食えないだろうと思った人もいるかも知れない。 安心してくれ。 ジータの魔法で、手の中のトマトは瞬間冷凍されているんだ。 魔法使いは元来がおせっかいなんだ。 おれが頼みもしないのに、アベルと仲直りしろと言って来た。 おれは今度こそ、確実にアベルを殺害するつもりだった。 そのためのとっておきの方法を考えておいた。 「カイン、早く後ろへお乗り」 ジータは杖にまたがると、おれに言った。 おれは杖にまたがると、ジータの体にしがみついた。 柔らかな感触のジータの体にしがみついていると、ジータが言った。 「カイン、どこを触ってるんだよ。そこは乳房だよ」 道理で柔らかいと思った。
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