第2章

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夜明けの森のジータ13 「黒ヤギのカイン、それは無理だね」 ジータはカインのしるしを見ながら言った。 「なぜだよ!お前の魔法でもダメなのか?」 おれは落胆を隠しきれなかった。 「天使の羽根がいるね。エデンの園にいる幼い天使の羽根を手に入れておいで。それがあれば、カインのしるしを消すことが出来るよ」 「わかった。必ず手に入れて見せるよ。ところでジータ、おれと一緒に住まないか?夜明けの森はもうすぐ遺跡公園になるって聞いたぜ」 「それはそうなんだがね」 ジータは考えていた。 「ここなら毎日楽しく暮らせるぜ」 その時だった。 二人の前に、悪魔サタンが現れた。 夜明けの森のジータ14 悪魔サタンはヘビメタファッションでばっちり決めていた。 いつ見ても気味の悪い野郎だぜ。 「黒ヤギのカイン、大変なことになったぞ」 「どうしたんだ?」 「お前がアベルを殺害したしるしを、明日天使の警務隊が調査に来る。お前の額にあるカインのしるしを見たら、お前は逮捕されるぞ」 「やなこった」 おれは言った。 「真っ暗な古井戸に閉じ込められるなんてごめんだぜ。サタンよ、お前にもらった毒薬でアベルを殺害したんだ。なんとかしろ」 「カイン、虫のいいことを言うんじゃないぜ」 「天使の警務隊を殺害するから手を貸せ」 「いいだろう。報酬はなんだ?」 「欲しい物は何でもやるよ」 「ジータをおれにくれ」 サタンはジータの体をなめるように見た。
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