0人が本棚に入れています
本棚に追加
夜明けの森のジータ13
「黒ヤギのカイン、それは無理だね」
ジータはカインのしるしを見ながら言った。
「なぜだよ!お前の魔法でもダメなのか?」
おれは落胆を隠しきれなかった。
「天使の羽根がいるね。エデンの園にいる幼い天使の羽根を手に入れておいで。それがあれば、カインのしるしを消すことが出来るよ」
「わかった。必ず手に入れて見せるよ。ところでジータ、おれと一緒に住まないか?夜明けの森はもうすぐ遺跡公園になるって聞いたぜ」
「それはそうなんだがね」
ジータは考えていた。
「ここなら毎日楽しく暮らせるぜ」
その時だった。
二人の前に、悪魔サタンが現れた。
夜明けの森のジータ14
悪魔サタンはヘビメタファッションでばっちり決めていた。
いつ見ても気味の悪い野郎だぜ。
「黒ヤギのカイン、大変なことになったぞ」
「どうしたんだ?」
「お前がアベルを殺害したしるしを、明日天使の警務隊が調査に来る。お前の額にあるカインのしるしを見たら、お前は逮捕されるぞ」
「やなこった」
おれは言った。
「真っ暗な古井戸に閉じ込められるなんてごめんだぜ。サタンよ、お前にもらった毒薬でアベルを殺害したんだ。なんとかしろ」
「カイン、虫のいいことを言うんじゃないぜ」
「天使の警務隊を殺害するから手を貸せ」
「いいだろう。報酬はなんだ?」
「欲しい物は何でもやるよ」
「ジータをおれにくれ」
サタンはジータの体をなめるように見た。
最初のコメントを投稿しよう!