駒五井弥生

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――――――――― 「えっと、初めまして。『河井江俊也(かわいえしゅんや)』です」 「………………それだけか?確かに一言とは言ったがもうちょっと話しても良いんだぞ?」 「いえ先生。それだけです」 そんな自己紹介をしたのも、もう二週間前の話だった。 高校二年生の二学期。始業式に合わせて僕は転校した。昔住んでいた地元の高校にだ。 物心付いたときから小学生までずっと慣れ親しんだ町。だから周辺の事は以前の町よりもずっと詳しかった。 別にこの町がどうと言う訳でも無い。 ただ昔住んでいて、大切な人がいた場所なだけだ。
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