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「それもうアウトじゃん」
「うるせ!」
いやいや、うるさいじゃなくてさ。
「だってさ……」
「うるさいうるさい!俺は諦めねぇよ!絶対小池さんと付き合ってみせる!」
「…………」
まあ君が頑張るのを僕は止めないさ。でもその可能性は低そうだけどね。
「そんな事よりさ!」
多摩平は自分の話をそんな事として片付けて話を切り替えた。
「河井江。お前は誰が好きなんだ?」
「僕?」
「隠すなよ。もういるんだろ?男の子なら三日で好きな奴が出来るもんだからな」
誰が言ったんだよそんな事。
「なあなあ誰なんだよ?君塚か?吉野か?あっ、隣のクラスの矢村か?あいつは性格きっついぞ?」
「勝手に話を進めるなよ」
「良いじゃんかよ言ったって。別に減るもんじゃねえし」
「話をややこしくするな。誰も言わないなんて言ってないだろ?」
「おっ。誰だ誰だ?倉上か?…………あっ、でもあいつだけは止めとけよ?」
あいつ?
多摩平は強調するように喉仏を震わせながら、
「駒五井弥生」
と一言、そう言った。
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