第1章.

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教室に入ると男子は皆、机の左横に刀が置いてあった 長さも形も色も様々な刀であるのを見ると皆自分で持ってきたのだろう そんな私は今日、刀とかを持ってきていない… これは不味いのか? 軽く溜め息をつきながら席につくととなりの席が吉田恭介だった ―――めっちゃ艶っぽ… 同い年とは思えないほどの見た目 「ねえ、君」 思わずぼうっと見ていたら吉田に声をかけられた 「何?」 「本当に使える訳?」 何が?そう聞く前に、 「剣。」 と言われた 本当に使えるかどうかなんて自分で解るわけ無いじゃないか …なんて、会って10分も経ってない人に言えるほどの勇気をもっていない 「まあその辺の人なら倒せるとは思うけど…」 そう一応答えておくと 「まあ、今日のうちに実力見れるだろうから楽しみにしといてあげるよ」 とだけ言って彼は席を立ち、教室から出ていった 先生はすかさず 「吉田!!勝手に出ていくな!!」 「煩い蝿は潰すよ」 と酷く冷たく凍り付くような声で言ってから 「まあ嘘だけど」 といつもの声に戻したかと思うと廊下から気配が消えた そして、次の瞬間――― 『生徒会役員は生徒会室に来てください 繰り返します、生徒会役員は生徒会室に来てください』 と流れたんだ。 先生は私にしか聞こえないように 「きっと町で事件だ。急げ」 と言った。 事件ならば急がなければ。 そして私も吉田に続いて教室を飛び出した …刀無いんですけどね
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