第1章.

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「向こうだ、行くぞォ!!」 と、ド派手な人が指を指した その方向には刀を抜いた男が20人ほどいて、その中心に近くの団子屋さんの亭主と奥さんと娘さんと思われる子たち 若い女性と小さな子が合わせて6人いる 悪党はニヤつきながら亭主以外の女性を見ている ……そういう事か イライラを抑えて深呼吸をしていると、ド派手な人が走り出して斬りかかった え、いきなり!?そう思った瞬間、刀を頭目掛けて振り落とした 「えっ」 思わず見ちゃいけない気がして目を瞑った そして悪党のざわつく声と どさっ、と人が倒れた音 そして隣からくつくつと笑う声 そっと目を開けて隣を見上げると吉田がいた 「あれ、見てごらんよ」 そう言われてド派手な人の方を見ると無傷の悪党が倒れていた 「なんだ、峰打ちか…」 そう小さく言うとド派手な人に続き先輩たちが次々と斬りかかった 今度は峰打ちじゃなくて普通に でも皆急所をつかずに、手や足を斬っている 「1年!!後に刑務所へ入れる! 殺さずに捕らえろ!」 とクールで髪の長い人に言われて私はようやく刀を抜いた もちろん悪党達は女の私を狙ってくる この重たい刀で手足を的確に狙うの無理っ! 「っ、」 迫り来る大人の男数人相手だと流石にキツくなっていてもう壁際まで追い詰められていた 不味い非常に不味い どう抜け出せば良いのか悩んでいる間に隙ができてしまったらしく 隣で刀を大きく振り上げている男の存在に気付くのが遅くなってしまった 更に不味い。 避けきれない…! .
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