1人が本棚に入れています
本棚に追加
「あいつ、俺を取り込む気か!?」
植物人間は俺を新たな苗床にし、その寿命を伸ばそうと考えているのだろうか。わからないがこのままでは確実に俺はあの忌々しい《種子》の仲間入りを果たしてしまうことになる。
そんなわけにはいかない。俺には目的があるのだ。絶対果たさなければいけない大事な目的。それを果たすまで……
「この命、渡してたまるかよ! ましてや、お前は俺が最も憎む《種子》だからな!!」
俺の四肢をムチが拘束する。そのムチが俺を植物人間の核である赤いつぼみの前へと運ぶ。このピンチを脱せるものなら脱してみろとでも言うのだろう。
ビジックソードを持つ手に力が入る。チャンスは一度だ。緊張が走る中、つぼみが開花する。
今だ!!
瞬時に手の中でビジックソードを持ち替えた。刃先はもちろん、核である花の中心に向いている。手首を使ってビジックソードを花に投げつけた。グサリ。ビジックソードが花を突き破り、寄生していた体に突き刺さる。
「ギアァァァァァ――――ッ!」
絶叫があたりに響き渡った。
最初のコメントを投稿しよう!