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「おはよう、飛鳥さん」
「はい、おはよう。今日の1番さんは誰――り、凛君!?」
扉のその先。リビングと言うには少々広い部屋を抜け、さらにその奥の台所に顔を出したオレは、楽しげに食事を作っていた女性に朝の挨拶をした。
しただけなんだが……
「えっ!?嘘っ!?今朝だよねっ!?お昼前じゃないよねっ!?私、時間間違えたりしてないよねっ!?」
「そんなにオレが早起きするのが珍しいですか……」
失礼な。これでも早く起きようと努力したことはある。目覚ましだっていつも仕掛けてるし。
結果的に睡魔という、たぶん欧米辺りに巣くう悪魔に、目覚ましの電池を抜かれるっていう妨害を受けたせいで惜しいところで敗れたが。
ちなみにねぼけた自分がやったとかそういうわけではない。断じて。
「だ、だって!凛君がこんな時間に起きてるなんて、地球の地軸が90度傾くくらいありえないじゃない!?」
「レベルぱねぇ!?オレの早起きは人類を滅ぼしかねないほどの天変地異並ですかっ!?」
オレをどっかの邪神か何かと勘違いしてんじゃねえか、この人!?
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