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「なにやってんだよ? 今日は堂々としてりゃあいいじゃねぇの?」
もはや恒例のように後ろから桜井にはたかれて、ギギギってこめかみに響きそうな音がするくらい、ぎこちなく振り返る。
糸で釣りあげられた魚みたいに口端が攣るこの感覚はなんだろう。
あたし、一応笑えてるのかな。
桜井はあたしを見るなりヒャッヒャと笑う。
「佐々木、なにその変顔。お前でも緊張とかするんだ?」
「な、なに?」
「噛んでるし。つか、なーんで俺が生徒のパシリやんなきゃならんわけ?」
「は?」
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