咲き誇るは朱刀

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抱きしめ合っていた二人はゆっくりと離れた。何故なら、近づいてくる気配に気がついたから。敵ではない、味方の気配。 「──後は任せろ。」 現れたのは、 新撰組副長、土方歳三。 事態を聞きつけやってきた。 「はい」 琴は素直に受け入れ、総司と共にその場を離れるため歩き出す。 だが、何かを思い出したのか足を止め土方に歩み寄った。 「ただいま、歳兄」 小さく呟きふわりと笑う。 ふ、と土方は笑みを浮かべた。 新撰組隊士が数人現れたのを確認し、総司のもとへと駆け寄っていく。 後ろからは土方の指示する声。 「さ、早く帰ろうか。土方さんがいつも通り後始末してくれるし、私達は屯所に帰って寝ましょう。」 優しく笑みを浮かべて、そう言いながら総司は琴に手を差し出した。
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