Chapter1

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合格発表の日。 その日の私は、前日深夜まで動画投稿サイトを閲覧しまくっていたのが災いして、 昼頃になってもベッドから離れられずに一人布団でもぞもぞしていた。 と、窓の向こうから郵便配達バイクの停止音が聞こえる。 どうやらうちの前で停車したらしい。 時計の針は、14時を指していた。 「合否通知かな」 私はぼんやりと一人ごちた。 もしもそうであれば、ここで私がわざわざ階下まで行かなくても合格通知書は母さんが私の部屋まで持ってくるだろう。 楽しみは、それまでとっておけば良い。 「雪乃」 案の定、階下から階段を上って近づいてくる母さんの声。 私はようやく布団を出た。 「通知書の速達?」 「そうよ」 「ちなみに合否は」 「否」 …え? 否?
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