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先生は其処まで仰って
口を噤まれた。
無理も無かろう。
自分の知らぬ間に
助手が妖魚に姿を変えていたのだから。
信じようにも信じ難い
しかし信じずには居られない
例えようの無い程苦々しい先生の言葉に
私は
吹雪の覆う白い景色を
凪ぎ払いたい衝動に突き動かされ
北の方角を一心に見やった。
確かに其処に在る大海の畝が
心を掻き乱す。
パシャリ
遥か彼方で
ナニカが鳴いた。
私には見えた気がするのだ。
双頭の大魚が
誇らしげに
其の身を空へと這わす様を。
雪虫は
今日も北の大地を
彷徨い惑っている。
我恋しやと
鳴き吹雪き
舞い踊りながら――
――パシャリ
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