泡沫演舞～うたかたえんぶ～

雪虫

私を解きほぐし

水へと帰すナニカを
知らないか

溶けゆく術を
知らないか

此処から引き剥がし
見ぬ世界へと連れ去るナニカを

知らないか

襖を行き過ぎる雪虫たち

チラリホラリと
姿を返しては踊る様に

私の頬はまた
冷たい露と濡れゆく。

哀しいのではない

ただただ

恨めしいのだ。