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でもね。
素のありのままのあたしをこんなにも想ってくれていたなんて事、今になって余計に解るんだ。
だってもう。
あたし達は。
愛し合う事が許されないのだから……
同じベッドで貴方の温もりを感じて眠りについたり。
あたしの作ったご飯を美味しいって笑顔で食べて写メに撮ったり。
我が儘で気分屋で自由奔放なあたしを、
いつも『そのままでいいよ』『そのままのお前が好きだよ』って包み込んでくれたり。
毎朝出掛ける時に眠ってるあたしに優しいキスを落として『愛してる』って囁いて行くのが日課だったり。
本当に愛されてた。
こんなにもあたしを愛してくれる人は後にも先にも貴方だけでしょう。
そしてあたしもこんなに心許せる人は同じく貴方だけでしょう。
だけど。
どれだけ愛し合っても。
永久に結ばれない愛もあるんだと知った。
初めて昔の方々の身分の違いで結ばれる事の出来なかった人達の辛さ、悲しさ、どうしようもない苦しみを知った。
嫌い嫌われ喧嘩して別れるのとは全く別の感情なのだと知った。
叫んでみても。
喚いてみても。
何をしても。
どうあがいても。
何も、どうも変わらない事実だけが叩き付けられる。
だからこう思おう。
これも運命なのだと。
現状や未来を悲観するのではなく。
出逢えた奇跡に感謝して。
共に過ごした1年4ヶ月。
与えてくれたもの総てに。
感謝し、忘れないと誓う。
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