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シャナ達が暮らしている小屋がはっきりと見えた頃、遠くから僅かに血の匂いが漂ってきた。どうやら人間が近くにいるらしい。
「狩りをしにこんな所まできたのね…早く家に帰るわよ」
すると、さっきとは別人のように冷酷な表情をした母は軽軽とシャナを抱き上げ、駆け足で家に戻っていく。
―――母の耳が震えていた。
なにがそんなに怖いのか理解出来ない。人間を遠くからしか見たことは無かったが、父と同じ種族ならきっと同じように優しい筈だ。
だが、母は異常な程に人間を嫌う。
「お母様…」
シャナは心配になって小さく声をかけると母は走りながら強く、ゆっくりと抱き締めてくる。走っている所為か呼吸が荒かった。
家につくと素早く鍵を閉め、火の魔法を使い、ランプに明かりを灯す。そしてカーテンを閉めて荷物を置いた。
「あの人達に話し掛けたり、姿を現しては絶対駄目よ。………《獣人》と《人間》は違うのだから…」
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