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俺は足で職員室の扉を開けた。
「たのもー!!」
俺が入ってきたことにより、職員室は一瞬シーンとしたが、すぐに皆ユリアに気がついたのか臨戦体制になる。
「たのもーじゃなかった、この子を届けに来ました、偽りないです。俺が届けてすいません」
俺はユリアを客用のソファに寝かせると、その場で土下座をした。
俺を睨みつける中一人の教師が、動きユリアに近づき声を掛ける。
黒い髪の毛を一本で束ねているが毛質が硬いのか尻尾毛みたくなっている、目も黒く顔は表情にやる気すら無いが、目だけは俺に向けられギラギラとしている。
「ユリア!ユリアしっかりしろ!」
もうスリープの効果は切れてる為、ただ寝ているだけだろう。
「ううーん。ほえ!?学園!?」
ユリアはキョロキョロと周りを見ると、俺と目が合い嫌な顔をする。
「コウスケさん、一人でついたじゃないですか!私に案内させなくても良かったじゃないですか!」
ムッとした表情で俺を見る。
そんなやり取りを見たのか教師は臨戦体制を解除したが、俺を見つめて来るのは変わらない。
「ユリア、コイツは何なんだ?」
「ダルイ先生!?えっと私が森で襲われてるところを助けてくれた人です……」
「で、なんでユリアは連れて来られてるんだ?」
「えっと……わかりません。いつの間にか寝ちゃったみたいで……」
ダルイ先生はため息を吐くと俺の方をみる。
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