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他の生徒達は教室を出ていったあと、俺と銀髪の生徒の二人だけになった。
俺はこのまま放置していく訳に行かないので、起こすために近づいた。
俺が寝顔を見て思ったのは、コイツ付けてくるもの間違えただろう、ということだ。
銀髪の生徒の制服を見れば男だというのは分かる、だが顔を見れば男だと思えない位可愛らしい顔なのだ。
まあ、いい起こすか。
俺は何度か銀髪の少年の揺すってみる。
「うへへ、もう食べれないよ……」
幸せそうな夢を見ていることは分かった、道理で涎がたまっているわけだ、俺はイラッと来たので少年に拳骨した。
「痛い!!」
少年は俺をアメジスト色の目を潤ませて睨みつける。
「君が起きないから、起こしたんですよ?このままなら君は授業に遅刻していたと思うのですが、起こさない方が良かったですか?」
「そうなんだ、でも殴るのは酷いよ。僕寝てただけじゃん」
「起こすためといったでしょう、揺すったときに起きるべきでしたね」
「むー、何か君は意地悪だな……。あ、そうだ!これも何かの縁だし友達になろうよ!」
「まあ、いいですけど、相手も分からない状態で友達にするのは無用心過ぎないですか?」
「いいの!僕は見る目あるんだから、君の名前はなんていうの?」
「尋ねるときは自分からということを知らんのか!」
「えー、気になったから君が先に言ってよ、そのあと僕が答えるからね。あと敬語気持ち悪いよ、何か合わない」
「失礼な!では、敬語は無しで。俺はコウスケ・ヤマダだ。よろしく」
俺は手を差し出す。
少年はそれを見ると笑顔で俺の手を両手で包答えた。
「コウスケね、変わった名前だね。僕はメロメディア・ルーサ・ヴェリウルスって言うんだよ。よろしくね」
「長い名前だな……。改めてよろしく、メロメディア」
「うん、よろしく。コウスケ、時間になるよー、ほらほら急がないと!」
俺は強引にメロメディアに引っ張られ、魔法薬学の教室に向かった。
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