32人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
残りの時間はメロメディアの魔法薬作りを手伝った。
教えると案外できるもので、テキパキ作業をしていたから、安心したな。
「よし、メロメディアそれで完成だ」
「ありがとう、コウスケ!じゃあ早速飲んでよ!」
「メロメディア、俺たち会ったばかりだから、好感度もなにも無いと思うぞ?」
「いいの!コウスケに僕を好きになってもらいたいの!初めての友達なんだもん」
なるほど、コイツはボッチだったわけか、まあ俺も向こうの世界では引き篭もりボッチだったから、なんとも言えないのだけども。
「わかった、分かった。飲むから迫らないでくれ」
気づけばメロメディとは目と鼻の先だった、全くヒヤッとしたな。
「はい、飲んでね!」
メロメディアは笑顔で魔法薬を掬ったおたまを近づけてくる、成功しているのだがメロメディアの髪が入っているため、メロメディアエキスが入っていると思うとどうも気が進まない。
俺は気合を入れると一気に、魔法薬を飲み干す。
魔法薬は即効性なのですぐに身体に馴染むはずだ、俺は効果を確かめる為にメロメディアを見つめた。
メロメディアはニコニコと笑って俺を見つめてくる、人懐っこい笑みではあるが、俺は特に何も感じなかった、まあ男だし。
「どう?僕のこと好きになった?」
「あーまー少しは好きになったかもな」
俺は特に嫌いでは無いが好きでもない、だがここでメロメディアの機嫌を損ねれば、泣かれるだろうと判断し、そう答えた、泣かれるとどうしていいかわからないんだよな。
メロメディアは満足したのか笑顔で、魔法薬を小瓶に詰めている。
授業が終わるときには先生に俺たち二人だけが怒られた、先生が言うには魔法薬を作った際に責任をもって自分で少し飲まないといけないらしい。
俺たちは先生に謝り、昼なので食堂に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!