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さて、午後の授業の為にメロメディアと一緒に演習場に来ている。
演習場は二万人が入ることのできる客席がある、中央は白い石の板が敷かれ広さは五千人は余裕で入るだろう。客席には結界が張られているため、魔法が当たることはないようだ。
授業時間丁度にダルイ先生が来た。
「皆揃ってるな、今日も演習場の周りを走ってから、模擬戦するぞ、じゃあ、走ってこい」
ダルイ先生が言うと皆出入り口から出て行った。
「コウスケどっちが早くつくか競争しようよ!」
「競争はしないぞ、模擬戦あるから、体力使いたくない」
「模擬戦なんて、ただ戦うだけでしょ?簡単簡単」
ダルイ先生がこっち見てるな、そろそろ走らないと怒られるか。
「……走りながら話するぞ」
俺が走り始めると、メロメディアが俺の後を追いかける、別に競争をしているわけではないが、俺は抜かされそうになるとついスピードを出してしまう、メロメディはムッとした表情で俺を見ながら、演習場を一周するまで、それの繰り返しだった。
「コウスケ、ムキになって僕を勝たせる気なかったでしょ!」
「いやー、そんなまさか。それに勝負はしてないし、勝ち負けはないだろ」
「ムー……」
「悪かった、今度はきちんと勝負するから……」
「わかった、模擬戦で勝負しようよ、どっちが強いって分かるでしょ?」
「なんで何でも勝負したいんだ?」
「僕は何でも一番じゃないと気が済まないの!だから勝負!」
なるほど、メロメディアってかなり自由に育てられたのか?一番じゃないと気が済まないってただの我儘だろう。
「分かった、勝負な……」
「コウスケ話が分かるね、正々堂々勝負だからね!」
喧嘩さえしたこと無い俺が、メロメディアに勝つことができるのだろうか……。
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