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「私は治癒魔法が使えるので、魔法を使って治しました。傷は治りましたが、免疫力と体力が随分と下がっているので、安静にして下さい」
「わかった。サイモン先生、お腹空いたから、食堂行ってきてもいい?」
「おや?食事をするのですか?……まだ生まれたばかりみたいですし、色々経験するのはいいことですが、無理はしないようにして下さいね。食事が終わったら、保健室に帰ってきて下さい」
「……なんか流れ的にだけど、サイモン先生俺が精霊だって知ってて会話してるよな?」
「はい、知ってますよ。共鳴現象でコウスケ君のことは少しは知っていますから」
なるほど、サイモン先生も精霊なわけか……。
共鳴現象って言うのは精霊同士が触れ合うときに記憶や感覚を共有する現象のことで、俺の治療をしたなら、サイモン先生は俺と同じ痛みを味わったんだろうな、治療は大変だっただろうな。
「サイモン先生は食事とかしないのか?」
「私は食事はしないですね、魔力を摂取しているので食事の必要はありません」
「さいですか、じゃあ、俺は食事に行ってきますわ」
俺は食堂に行って牛丼と白桃のタルトを食べましたよ、やっぱり肉系は美味いな、うん。
真夜中って事もあって食堂にはほとんど人も居なかったし、知り合いが居るわけでもないから、大人しく保健室に帰ることにしましたよ。
「おかえりなさい」
「ただいま……、何か懐かしい感じのやり取りだな。家に帰ってきたような……」
サイモン先生とはさっきあったばかりだけど、なんかホッとするんだよな、なんでだろうか?
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