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俺が近くにいくと確かに、先ほどの少女だ、そして明らかに目付きが悪く汚い見た目の二人組の男がニヤニヤしながら少女を追いかけているではないか。
「ちょーいといいですか?何故に少女を追いかけてるのおじさん達」
俺は男たちに並んで走る、普通なら疲れてもいいはずなのだが余裕があり、息切れする様子もない。
「ああん?なんだテメーは俺達の邪魔しようってか?」
「痛い目見るぞ、ああん?」
俺はモブキャラ過ぎると思いながら、男達の襟首を掴み、振り回すとぶん投げて木にたたきつけた。
俺は立ち止まり、俺を呆然と見ている少女に近づき、少女の前で片膝をつき笑顔を向ける。
「大丈夫ですか?見ていた通り二人組は倒しましたよ。よろしければお礼として、街に連れて行ってもらいたいのですがいいでしょうか?」
「……さっきの変態さんじゃないですか。助けてくれたことはお礼を言います。ありがとうございます。ですが、貴方と一緒に行動しては身に危険を感じるので、距離を開けてついてきて下さい」
なんだこの失礼なまな板は……。
「俺はコウスケ・ヤマダというのですが、貴方の名前はなんですか?」
「……変態さんに名乗りたくないですが、呼び名がないと困るでしょうしお教えします。私はユリア・リモンズといいます」
「ユリアですか、いい名前ですね。俺のことはコウスケと呼んで下さい」
「私が先を行くので、三メートルは空けてついてきて下さい」
そう言うと俺の方は目もくれずスタスタと、歩いて行ってしまう。
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