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「ユリアー、早いですよー」
「呼び捨てにしないで下さい!」
「俺はMではないので、そんな目で見ないで下さい。凄く傷つきますー」
なんとも棒読みな感じで俺は言うもので、ユリアはイライラしているようだ。
「ところで、ユリア。君は制服を着ているように見えるのですが、学生なんですか?」
ユリアは赤と黒の制服を着ている、ネクタイも赤で、胸にはバッジをつけている。
「コウスケさんには、関係無いことだと思いますが?」
「いや、学生ならユリアから言って俺も通えないかなーとか思ったりしまして」
「コウスケさんは学園に通ったこと無いんですか?」
「無いですね、ここに来たのも初めてなんですよ」
「分かりました。先生に話してみます。学園まで行くのでついてきて下さい」
「了解しました。よろしくお願いします」
俺は笑顔で言ってみたが、ユリアには逆効果なのか、早足で先に行ってしまった、俺は仕方なく後を追いかけた。
しばらくすると、街の門が見えた、門は高さが10メートルある、門は開いており夜なので人通りは少ないが兵士がいる。
ユリアは兵士に近づいていった。
「兵士さん遅くまで、お疲れ様です」
「ユリアちゃんもお疲れ様、ギルドの用事かな?」
「はい、今日は単独で依頼を成功させないといけなかったんです。薬草摘みだったんですけど、ちょっとゴタゴタで遅くなってしまいました」
「ゴタゴタとは何かあったのかい?」
「男の人に襲われて……」
「ユリアちゃん、何もされなかった!?」
「はい、この人に助けて貰ったので……」
ユリアが俺の方を見つめる、暗闇で見えづらかったのか兵士は今俺に気がついたようだ。
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