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梵天> ……はぁ…いない
陽は 刻々と沈み 影は濃くなっていくばかり
焦りは 時間が進む毎に 募り
璃久徒は 一言も話さず 私の後をついていく
璃久徒> …………ルイ
ずっと 黙っていた 璃久徒が
私の名を 呼んだので 少し驚いた
どうしたのかと思い 振り返ると
梵天> っ!!?………
引っ越しの時に 私の腕を
強く押さえつけた 時と同じ
璃久徒の 瞳は暗く閉ざされていた
その瞳を 見た瞬間 蛇に睨まれた蛙 と
同じ状態に なってしまった
体が 恐怖で動けなくなる
璃久徒> 僕は…此処に来る前に
君と約束したはず………だよね?
何も言えなくなった
指切りした 小指を しばらく見つめた
私には 忌々しい 鎖でしかない
璃久徒> 僕はね………
復讐したいんだ…君を傷つけた
先祖返りの……無能な奴らにね
……ルイ、全て君の為なんだ
後戻りなんて させないよ?
彼の言葉が 紡ぎ終わるころに
電話の音が鳴り響く
部が悪い顔をして 携帯を 耳に当てて
しばらく電話を していた
璃久徒> カルタちゃん 見つかったようです
さあ、暗くならない内に 帰りましょう
……それと、日曜日………
先祖返り殺し……つまり入居者を…殺しましょう
最後に 嫌いな微笑を浮かべて
妖館 に戻っていく
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