寂しがりな犬と心配性な巨人さん

7/8
43人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
梵天> ……はぁ…いない 陽は 刻々と沈み 影は濃くなっていくばかり 焦りは 時間が進む毎に 募り 璃久徒は 一言も話さず 私の後をついていく 璃久徒> …………ルイ ずっと 黙っていた 璃久徒が 私の名を 呼んだので 少し驚いた どうしたのかと思い 振り返ると 梵天> っ!!?……… 引っ越しの時に 私の腕を 強く押さえつけた 時と同じ 璃久徒の 瞳は暗く閉ざされていた その瞳を 見た瞬間 蛇に睨まれた蛙 と 同じ状態に なってしまった 体が 恐怖で動けなくなる 璃久徒> 僕は…此処に来る前に 君と約束したはず………だよね? 何も言えなくなった 指切りした 小指を しばらく見つめた 私には 忌々しい 鎖でしかない 璃久徒> 僕はね……… 復讐したいんだ…君を傷つけた 先祖返りの……無能な奴らにね ……ルイ、全て君の為なんだ 後戻りなんて させないよ? 彼の言葉が 紡ぎ終わるころに 電話の音が鳴り響く 部が悪い顔をして 携帯を 耳に当てて しばらく電話を していた 璃久徒> カルタちゃん 見つかったようです さあ、暗くならない内に 帰りましょう ……それと、日曜日……… 先祖返り殺し……つまり入居者を…殺しましょう 最後に 嫌いな微笑を浮かべて 妖館 に戻っていく
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!