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夕暮れの旧部室は使われなくなって久しいこともあって、廃れた雰囲気を醸し出している。無造作に積み上げられたキャンバスのそばに、描きかけの絵が掛けられている。
「ここには入るな」
紫陽花先輩の線の細い顔が緊張と恐怖で強張り、肩口で揃えられたふわふわとしたウェーブの髪だけが微かに震えていた。旧部室の奥のドアの前に立ち尽くすだけのバリケードは、ひどく弱くて、それだけに壊してはならないもののように思えた。一つ嘆息が零れる。
「わかりました」
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