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「ま、まて!なぜ俺の意見もなしに話「うっせぇ」がっ!」
また踏まれた
なんなんだよ...ったく...
「んじゃ、もらってくぜ」
「まて、辞令の件はいい。そいつのことはどうするつもりだ」
「そいつ?ああ、これか。もちろんうちの傭兵団で使う。良かったなぁおい、すぐに再就職だ」
おい、おいおいおい
「んなこと誰が承知するかボケぇ!俺はここ除隊になったら別の国にでも行って史官するわ!見境なく誰だって殺す金ばっかの傭兵なんて真っ平御免だぜ!」
ふん
言ってやった!多分蹴られるけどここは譲れない
見境ない殺しは人の道を外れる
それはダメだ
自分の信条でもある
だからそれを曲げるようならば国を変え、母国から裏切り者と言われてもいい
へぇ..
そんな風に言いたげな視線が刺さる
いつの間にか足は退けられている
人を喰ったような笑み
その傭兵はニヤリと笑うと
ドゴッ
俺の腹を蹴りやがった
ちっくしょう...意識が...
「....そいつはもう除隊になった...しかし一時は私の部下だ。あまり乱暴にしないでくれないか」
「おお、やっさしいねぇ。大丈夫さね、死ぬもんじゃないさぁ。んじゃ、もらってくよ」
「まて!お前、名前は?」
男はまた笑う
獲物を得た獣のように
勝ち誇った勝者の笑みを
入口には傭兵団の仲間だろうか
多くの男女が列をなしているのが見える
「俺は、俺の名はウル。ウル・ユートノールだ。またうちの傭兵団をよろしく頼むぜい」
悠然とウルは歩む
戦利品を担いで
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