入団

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「"空の御石"って知ってるか?」 「.....噂には」 "空の御石"ってのも古の神の名前の宝玉 でも紅玉睡蓮などとは違い、こっちは厄神だ 古い伝承には世界を壊すほどの力を持ち、一度は壊しかけた存在 昔は魔法が当たり前に存在していたらしいがそんなもんは空想でしかない しかし、その御石にはそいつの魔力ともいうべき力を宿していて、願いをなんでも叶えられるのだという 未だに見つかってないが 「あの石の願いでお前の家族を取り戻してやる」 「そんなもんは噂だろうが!そもそもお前に得がない。何のつもりだ」 「俺はお前の能力を買ってる。しかも....」 おどけた様子で言い、少し貯めたあと 「御石は存在する。形も、どんなものかも全部知っている。ただ、力が必要だ。そこに行き着くにはな」 「嘘だ。信じられない」 「だろうな。だが事実だ。まぁ、こっからは身内にしか言えないんでな、お前次第だ」 .......御石があれば家族を生き返らせることができる それくらいのことができるという伝承もある それでいいのか? そんな理由で傭兵に? 思い出すのは家族で過ごした日々 幸せだったあの日々 「........本当に手にはいるのか?」 「うまくいけば、な。存在は確認している。御石はいる」 「そうか......なら」 今は 迷ってる場合じゃないな 父さん、母さん、アリエル 「いいよ。あんたのとこにはいる。でも、家族のためだ。俺は非道な虐殺は許さないぞ」 ウルはニヤリと笑い 「十分。家族を大事にするのが一番大事。俺の傭兵団の信条だぜ?お前には十分資格があるさ」 頭を撫でてくれた女性も微笑み 「虐殺なんてしないわよ。無意味な殺戮なんてみんな嫌だもの」 「さて、エミル・レストア。お前を傭兵団に迎える」 「「ようこそ'葉月の雫'へ」」 二人は笑って俺の手を取った
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