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「ようみんな。さきの戦じゃご苦労様だ。さすが帝国は金の払いがいい。ここ二ヶ月は贅沢しても大丈夫そうだ。まぁ、いくらか宝物庫からちょろまかしたものもあるがな!!」
さっき団長と副団長の女性に歓迎され、傭兵団のキャンプの広間に連れられ全団員の前にいる
「それが第一報告。そんで次の報告は戦利品だな。みんなも知っての通り、さっきの作戦は予想以上に功績をあげられ、そして成功させることができた。作戦の立案者がこいつ、エミル・レストアだ。こいつは上司に逆らって死刑処分だったのを心優しーい俺は拾ってやったんだよ」
ドヤ顔で団員に喝采を受けるこの男
ムカつく
さらには嘘ばっかりじゃないのが腹ただしい
処分されそうになり拾ってもらったのは事実だからだ
「さて、エミル。改めて自己紹介だ。俺はウル・ユートノール。この傭兵団"葉月の雫"の団長だ。ようこそ、お前は新しい家族だよ」
少し生えたあご髭を撫でながら団長の自己紹介
褐色の髪をたてがみの様に後ろに撫でつけ
裾の長い外套衣で背の高い身体を纏っていた
「さぁて、あとでお前らもエミルに挨拶するといい。今日は宴にしたいところだが....次の仕事が入っちまってな。...おいおい、あからさまに嫌な顔するなよ....凹むだろうがよ。俺だってなぁ....酒呑みたいんだよ!腹いっぱい食べて寝て朝起きて二度寝したいんだよ!わかるかボケェ!!」
こいつは何言ってるんだろう
隣の副団長があらあらとため息をついている
パンッ
響く柏手(かしわで)の音
一瞬にして場が静まり音の元に目をやる
「はいはい、皆さん。団長の話も終わりですよ。次の仕事が終わりましたら、皆さんでお祝いしましょう。エミルくんの入団祝いと、勝利祝いです。」
にっこり笑って微笑む姿は女神
この傭兵団の真の団長はこの人だと俺は思った
壇上のバカ収まりがついたのか
「まぁ、なんだ。ミリアの言うとおりだ。次はかならず大盤振る舞いだ!みんな気張ってけよ!」
「「「「うおおおおおおおー!!!!」」」」
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