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時には暑苦しいくらいの熱意で相手をねじ伏せてなんとかするくらい、一応仕事はカンペキに出来る奴なので。
日本に帰ってきてからの俺のショーマネジメントを全部任せている男だ。
ただ。仕事以外は本当に一々鬱陶しい(←笑)。
ホントに困らない限りは自分で電話することは皆無ということもある。
「電報舎クビにならないでくださいよマルさん?お忙しいのは重々解ってますが、今回も貴方にしかお願いできないと思って朝イチでかけさせてもらったんです」
なんてちょっとリップサービスしただけで。
『っ…!ハイ!何なりと伺います!』
「今から送る写真をベースにして、3種類ポスター作ってもらいたいんです」
コンセプトと一通りの希望を伝えると、
『了解しました。えぇ…神社の初詣用のポスターですよね?デジタルサイネージとか最近はやりですが如何ですか』
って提案されるけど。聴いた事無いから。
「デジタルサイネージ?」
『電子パネル使った大型看板で、主要駅の柱とか結構設置されてますが見た事ないですか?一定時間で何通りも切り替えが可能ですよ』
「それって今お願いして、午後には出来ます?」
『う…済みません。枠の確保が必要なので午後は無理です。数日お時間ください』
「ちょっと急いでるから今回はパス。紙のポスターなら出来ますか?」
『ハイ!超特急で昼過ぎには手配します』
「ゴメンなさい。じゃあ今回は紙媒体で。各100枚」
『100枚でいいんですか?――万単位もイケますけど』
「流石電報舎さん!――でも100枚でイイです。上がり次第武蔵八幡に送って下さい」
『俺が直接お届けしたいトコロなんですが…残念ながら今日はもう予定ビッチリで無理なんです。代わりに何処でもご希望の掲示場所全力で手配しますから、メールで教えてください』
人としては鬱陶しいけど(笑)やっぱり電報舎の社員は優秀なんだ…って思いながら、お礼を言って電話を切った。
「オイ壱。まさか勝手にポスター貼り換える気なのか?」
停まってたバスに乗り込んだけどまだ出発までには時間があって、一番後ろの席を確保してから、画像を添付してマルさんに送るお願いメールを打ち始めた。
「大丈夫大丈夫。タケオカのお父さんはこんな事で怒る人じゃないから」
「ホントお前が仕掛ける小野さんプロデュースの熱意には頭が下がるよ」
定刻になって動き出すバスは俺達の他に乗ってくる乗客は居なかった。
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