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「アイダさんそんなんじゃ直ぐにお腹空いちゃうでしょう。――ホラ。俺こんなに食べないからどうぞ?」
って、ひと切れだけ抓んで残りの3つのサンドイッチが乗ったお皿をアイダさんの方に押し遣ったら。
「にのアリガト~!!」
じゃあ遠慮なく、頂きマースって。俺が何口かかけて食べてた同じ一切れがたったひと口でまずは消えた。
しゃくしゃくとレタスを良い音させてて咀嚼して、頬を膨らませたままもぐもぐさせてる。
「んぐ~!んない!」
「ハイハイ美味しいね~。よかったね~」
なんて。アイダさんと久々にこのやり取りやった気がするなあと思いながら。相変わらず白いソースで汚しちゃってる口の周りを、隣から紙ナプキンで拭ってあげる。
やっとのことで飲みこんでから。お約束のアイダさんの。
「アリガトにの(^o^)丿」
笑顔のお返しが来るから。どーいたしまして。って俺も笑顔で何時もの通り返したけど。
「え――何?このビミョーな空気」
エルも颯ちゃんも、俺達の事見ないフリしてるのが解った。
「何二人とも他人のフリして。――あ…ヤダ、妬いてるの?」
もー。俺とアイダさんはタダの御主人様と遣い魔でしかないからね?って言うのに
「「妬いてねえ(ないです)!!!」」
「そもそも颯ちゃんがアイダ氏の面倒ちゃんと見ないからこんなコトになるんでしょ。エルが要らない心配しちゃうじゃない」
「この人の面倒見るなんてイヤですよ。イイ大人が人前で…バカップルじゃないですか」
「勝手にしなさいよもう。エルもほら、食べさせてあげようか?」
「じゃあ」
流石エル。こういうのは堂々とするほうが恥ずかしくないって知ってるから。
素直に俺に向かって口を開けてくれる。
「はいエル?あーん(∩∀`*)キャッ」
エルのローストビーフサンドを皿から指先で抓み上げて口元に持っていったら、ぱくり。と半分くらい一瞬で消えた。
実はアイダさんと負けないくらいの食べっぷりのエルだから。もうちょっと勧めちゃう。
「はい、もうひとくち、あーん?」
ぱくり。
あ、ヤダ。今度は指まで食べられちゃった。
「おいしい?」って首を傾げて尋ねると。
「ん」って。大きく頷いてくれるエル。
「あーもう、いい加減にしてください貴方達」
「颯ちゃんもホントはアイダさんとやりたい癖に…」
「そんな恥ずかしいコトは人前でやる必要は無いと言ってるんです」
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