序章

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そんな俺とリュウも来年で15歳になる。 15歳といえば、成人の儀だ。 1月15日の出立式から5年間、アジャン大陸内を自由に見聞を広げ、生涯をかけるべき生業を決める儀式だ。 詳しい内容は出立式で教わるらしいが、だいたいの事は今年、成人の儀を終えた彦次(ヒコジ)改め、弥彦(ヤヒコ)に教わった。 ヒコジは件の友柄で、3年前に出立式を行った。 覚えていることは、村中のみんながヒコジの出立を祝い、爺ちゃんはとにかく話が長いということだった。 それから3年程した先月、梅の花が咲き出した頃にヒコジは帰ってきた。 結局、親父さんの仕事を手伝うことにしたらしく、今では村で一番若い漁師となった。 3年間、何処へ行って何を見たのか、ヒコジは多くのことを教えてくれた。 中でも、京の都での話は面白かった。 都は身の丈数十倍にもなる高さの壁に囲まれていて、四つの入り口にはそれぞれ違う獣が描かれた鉄の門があり、そこにいる門兵は恐ろしく強そうだったらしい。 また、都の周りには門前町なる集落があり、門前町も大変な賑わいようだったと言っていた。 本当ならば、都の中に入るにはそれなりの身分が無ければならないが、成人の儀の期間は何度でも自由に出入り出来た。 都は、今まで見たことがないような煌びやかで上品な世界が広がっていたと興奮気味に何度も同じ話をしてくれた。
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