序章

9/38
前へ
/85ページ
次へ
「もう少しで楽になれたのに残念ね?おじいちゃんには会えたかしら?」 母ちゃんは、笑顔でいい放つ。 「ゴホッゴホッ、じじ、じいちゃんは生きてるよ!つーか、実の息子を殺すな!!」 咳き込みながら距離をとる。 「あら、愛情表現よ?本気で殺すわけないじゃない、いやぁね、この子ったら~」 身体をくねらせながらのたまう。 〈何が愛情表現よ?だ!加減を知らない怪力ババアなだけだろ!〉 「死にたいの?」 目が妖しく光ったような気がした。 「そ、そんなことより、リュウはどこにいるんでしょうか?」 背中に冷たいものが走る。 「……………、まぁいいわ」 ふぅっと吐息を吐いて、 「リュウならカズマに呼ばれて、いつもの場所に行くって言ってたわよ。元太郎が帰ってきたら、伝えてって言ってたから、ご飯食べたらさっさと行きなさい。」 そう言うと飯台を指差す。 卓上にはすでに、食事が用意されていた。 「ご飯をよそうから、手洗ってきなさい」 そう言うと、台所へと歩いていった。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加