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極東支部通称フェンリルに1台の輸送用ヘリコプターが着地した。
ドアが開き中から1人の少年が降りた。
銀色の髪にある程度整った顔立ち。
服装は白い衛生兵に支給される制服を少し改造して着て首にはヘッドホンを装着していた。
左腕には腕輪をはめていた。
少年は長旅で疲れた体を軽くストレッチをして伸ばす。
「お前が本日から極東支部に配属になる新人か?」
後ろから呼ばれ少年は振り返る。
秘書のような服装をしている女がいた。
たが右腕には少年と同じ腕輪をして鋭い目付きをしている。
「そうですがアナタは?」
「私はこの極東支部で教育指導をしている雨宮ツバキだ。これからお前をフェンリルへ招待する。ついて来い」
それだけ言ってツバキは背を向けて歩いていく少年もその後について行く。
正面には巨大なシャッターがいくつも並んでおりツバキは一つのシャッターに近付いてカードキーを使って開ける。
2人は中に入ると再びシャッターは閉まり闇に包まれた。
するとガタッと床が振動と共に下がり始めた。
「な、うわ!?」
焦る少年に、
「騒ぐな。少し揺れるだけだ」
ツバキは一言で少年を黙らせる。
数分後、床はようやく振動を止めてシャッターを開けた。
そこからは大量の光が差し込んでくる。
ツバキと共に少年はシャッターから出てツバキは少年の方を向く。
「ここが極東支部だ。今更だがようこそフェンリルへ」
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