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「ねぇねぇ、ドイツの支部ってどんな所なの?」
好奇心旺盛の目でサクラに聞いてきたのは明るい色のニット帽を被った少年だった。
「え、別に極東支部とあまり変わりませんよ…」
いきなり聞かれ焦って返すサクラ。
それを見て少年は、
「あ、ごめんごめん。いきなり質問したらビックリするよね。俺は藤木コウタこれからアンタも第一部隊の一員だからよろしく」
「どうも、こちらこそよろしくお願いしますコウタさん」
サクラが頭を下げて言うとコウタ難しい顔になった。
(あれっ? 何か間違えた?)
とサクラは不安になる。
「う~ん、アンタさ。俺と同い年なんだから敬語とか止めようよ。俺はサクラって呼ぶからさサクラは俺の事コウタって呼んでよ!」
名前を呼ばれる事を期待する目で見られるサクラは、
「わかりまし……分かった。よろしくコウタ」
と少し戸惑いながら名前で呼んで手を前に出した。
「うん! よろしくサクラ!」
コウタは嬉しそうにサクラの手を握る。
「コウタ。もういいですか?」
サクラと握手をしているコウタに絹のような色をした髪に、赤いチャックのベレー帽を被った少女が聞いてきた。
「いいよ」
コウタはそう言って手を離した。
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