青春、始動!!

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ーしかし、そうと開き直ってしまえば、あとはもう、前進あるのみ。 「そうともさ。俺はここに、恋愛をしに来たわけじゃない。 勉強をしに来たわけでもない。 燃えるような青春を探しに来たんだ!!」 放課後。 誰にともなくそう唱えながら、竣介は荷物を背負って校舎を駆け出た。 一目散に校舎の端までたどり着くと、そのまま裏手へ回る。 校舎裏の中央。 校舎とは反対側に、少し下れる道があり、そこを降りて行くと 二つの建物が見えた。 左手は、古い体育倉庫。コンクリート製ではあるが、 あちこち崩れていて、正直閉じ込められたらかなり怖い。 もう一方。 右手にある建物は、絵にかいたような安物のプレハブ小屋。 周りを木々に囲まれた、風の影響の少ないこの場所でない限り 台風が一度来ればひとたまりもないような建物である。 竣介は、その建物の引き戸を開けると、一礼して中へ入る。 「こんにちはーっす!!…って、まだ誰もいないか。」 広さは、普通教室より一回り小さいくらいだろうか。 畳が敷き詰められただけであれば、この広さで事足りるが、 四方には生徒の荷物やトレーニング器具を入れるためのロッカー棚や 大型のトレーニングマシン、マットなどが所狭しと場所を とっており、実質的に活動可能な範囲は7割ほど。 ケガ防止のため、壁には畳が立て掛けられている。 これが、堂田中学校「柔道場」である。
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