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「ですが、海怨寺葉月の能力は限界値まで達しています!このままでは人間でいられなくなってしまいます。」
「構わん。葉月は俺たちが求めていることがわかっているはずだ。ここにいる時点で、あいつはもう人じゃない。・・・もちろん俺たちもだ。」
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「刺すぞ。」
いつもの冷たい床。
いつもの壁と僕をつなぐ鎖。
いつもの注射。
「兄さんは・・・?」
「特に何も。」
「そう・・・。」
(今日も満足させてあげられなかった・・・。どうしよう。嫌われたかな?嫌だ、嫌われたらどうしよう。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ怖い嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。)
プスッ
注射が行われている間、僕はこんなことをいつも考えてしまう。
なんでだろう?
注射の液体がどんなものなのかもわからない。けれど良いものでるはずがない・・・確信済みだ。
体がすごく痒くなる。
それが痛くて、怖くて、辛くて引っ掻き回すのはいいけど包帯を巻かれて「はい、終わり。」
何も言わないし、目も合わさない。
同情して哀れんでいるのか、目も合わせられないほど酷い姿なのか
―狂ってるのか・・・。
多少の自覚はある。
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