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駈け抜けてゆくもの
消え去ってゆくもの
そして空の息吹きの様に
風が吹く
時の歪みを感じるのは動き始めた事への抵抗か
しかし抗う事の出来ない大きな流れに溺れゆく
やがて深い眠りの底から風が吹き上げて来る
それはいつも優しく君の髪をなびかせている
記憶の中の君
目も眩む様な目映い陽光の下
その長い髪が空へと舞い上がる
風は潮の香と共に吹き続ける
もうひとつの時間
もうひとつの風が君の名前を呼ぶ
そしてそこに君が居るのなら
それだけで
ただ、それだけで解き放たれる
深い夜の空
君と見た確かな夜明け
遠い日々より風が吹けば
君を呼ぶ声に耳を傾ける
そして君の見る
もうひとつの夜明け
朝の香り漂う中
風が舞う
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